青梅自然誌研究グループ トウキョウサンショウウオ  The Study Group of Natural History in Ome City (Since 2003)

 青梅自然誌研究グループ

 keywards : 東京都 青梅市 自然誌 カヤネズミ フクロウ 両生類 カエル サンショウウオ 
         調査 研究 保護
 
 
   ■ 樹洞性動物のための巣箱設置活動
     1. 活動の目的とその背景
 フクロウ類、ムササビ、コウモリ類などの樹洞性動物は、繁殖・休息・ねぐらなどに利用する樹洞の減少により、その生息基盤が失われつつあり、その多くはレッドデータブックに掲載されています。このため、これら樹洞性動物種の生息状況の把握と、その保護に有効とされる巣箱の設置活動は、地域の生物多様性を保全に寄与すると考えられます。また巣箱設置活動の際に、地権者や周辺住民の協力を得ることは、地域の生物を知ってもらう契機となると期待しています。2005年からは当会は青梅市内で地元地権者に協力を得ながら大型巣箱の設置を行ってきましたが、現在では巣箱の老朽化も進んでいます。そこで、新規の場所も含め、新たに巣箱を作成・設置するとともに、より詳細な巣箱の利用状況調査を実施し、今後の巣箱活動の改良を進めて行きたいと考えました。
 
     2. 活動の内容
・大型巣箱の作成・巣箱の設置
 地権者の了承を得られた市内4ヶ所で設置。また、利用状況を確認しながらメンテナンスを行いました。
・巣箱の利用状況の調査
 センサーカメラなどや利用の痕跡を直接確認して、巣箱の利用状況を調査しました。
・生息状況調査
 巣箱設置箇所以外でも、青梅市内での樹洞性動物の生息状況調査を行いました。
・普及・広報
 フクロウ類の生息状況調査結果の一部を、「第2回 東京の鳥・シンポジウム『東京都のRDB・今われわれのできること』」((2009年11月4日 渋谷区立千駄ヶ谷区民会館)にて、「西多摩の猛禽類」として発表しました(多摩クマタカ生態調査チーム,青梅オオタカ調査チームと共同報告)。
 
     3. プロジェクト実施にあたっての工夫点とその効果
 協力して頂く地権者の方々に対しては、野生生物の生息地であることを説明し、土地を所有していることが野生動物の保全の上で重要であることを理解して頂くように努めました。巣箱の設置は、野生動物にその存在を認知してもらうまで、ある程度の期間が必要です。今後とも地権者の方々に協力いただきながら、継続して観察やメンテナンスを行って行く予定です。
 
     4. おわりに
 過去に設置した巣箱でも、ムササビなどに利用してもらうまでは、数ヶ月から何年もかかりました。今回新たに設置した巣箱を利用するようになるのも、まだ先のことと思いますが、息長く観察していこうと思います。今後も、新たに協力して頂ける地権者を探して、一つでも多くの巣箱を設置していきたいと思います。 
 
    
    巣箱の設置風景         巣箱の設置風景        巣箱を利用したムササビの糞
  
 
※本活動は、2009年度Shinjoプロジェクト市民活動公募助成事業を受けています。
http://shinjo-project.jp/koubo/index.html
 
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